EUに加盟してからも長らく自国通貨のクーナ(kn)をそのまま利用していたクロアチア。
数年の協議の末、ユーロ利用国加盟の問題をクリアしてとうとうクロアチアでもユーロがメイン通貨となります!
クロアチア自国通貨・クーナ(kn)
2022年現在、クロアチアの基本通貨はクーナ(kn)・リパ。
日本円とのレートは100円 ≒ 5.74kn / 1kn ≒ 17.5円です(2022年1月現在)。
クーナとはクロアチア語で「動物のテン」、リパは「リンデンの木」という意味を持ちます。
その昔テンの毛皮をお金として使っていたことから、現在の通貨単位として利用されるようになりました。
ユーロ開始時期はいつ?
待ち遠しいユーロ移行スタートは 2023年1月が予定されています。
2023年のユーロ通貨開始に伴い、2022年の夏ごろより店舗やレストランではクーナとユーロの両通貨での金額を表示するようになります。
記事の後半で詳しく説明していますが、クロアチア独自のユーロ紙幣&コインのデザインにとってもワクワクしています。通貨はその国の文化や歴史を垣間見ることができて面白いです。
いつからクーナは使えなくなる?
通常、通貨の変更時には古い通貨と新通貨の両方とも使用可能な数年の移行期間が設けられます。
今回のクロアチアのユーロ移行に関するクーナの使用(両替)期限については、現時点では発表されていません。
この間はクーナとユーロが両方とも使用できます。もし以前のクロアチア旅行でコインや紙幣が残っていて、また訪れようと考えている場合はどうぞご注意ください。クロアチアクーナは日本での両替が出来ないので、数年で再訪される予定がない場合は難しいですが…涙
クロアチアのユーロ紙幣・コインの人物は?
“Croatia wants Nikola Tesla’s character to be adorned with her coins.
German media on Croatian euro: Whose Tesla is it?
(クロアチアは二コラ・テスラをユーロコインに採用予定である)
皆さん、実はユーロ紙幣やコインの裏側は国ごとに絵柄が異なるのはご存じですか?
オーストリアは音楽家モーツアルト、ドイツは国章の鷲というように、自国にまつわる人物やモチーフなどが採用されています。
クロアチアのユーロでは一体どんな人物が選ばれるのかと思っていましたが、発表されたのは世界が誇る発明家「二コラ・テスラ」。
日本ではエジソンが電力発明の父として有名ですが、ヨーロッパや特にクロアチアやセルビアではエジソンの元で働いていた二コラ・テスラの名が多く知れ渡っています。
クロアチア人やセルビア人は「エジソンがテスラの発明を全て盗んだ!テスラこそ真の発明家だ!」と声を上げる人たちが多いです。イーロン・マスクの会社テスラもこの偉人二コラ・テスラから名付けたと言われています。
さて、そこでテスラはどこの国の出身かご存じですか?
テスラは現在のクロアチア領であるスミリャンでセルビア人の両親から生まれ、高校時代までをクロアチアで過ごしました。
旧ユーゴスラビア諸国は歴史が複雑に絡まりあっているので、なかなか定義が難しいのですが、クロアチア人はクロアチア人だと言うし、セルビア人はセルビア人だ!と譲りません。
クロアチアにもセルビアにも色々な場所にテスラの銅像や博物館が建てられており、二つの国から本当に親しまれています。
EUがクロアチアユーロでのテスラコインを許可した場合、テスラはクロアチア人だとしてヨーロッパ内で認められたことになるので、これまた一波乱起きそうです。因みにセルビア紙幣にはテスラが既に使われています。
※追記※
クロアチアのユーロコインのデザインが正式に決まりました!
テスラと動物のクーナです。
まとめ
クロアチア・クーナ→ユーロへの移行スタート
2023年1月予定
クーナ完全利用停止時期
公式の発表はなし(発表され次第、アップデートします)
クロアチア在住者としては、クロアチアのユーロ加盟は嬉しいニュース!
旅行やビジネスの際にクーナ→ユーロの両替がなくなるので、とっても便利になります。一方で、年々値上がりするクロアチアの物価がこの通貨移行によって更に上昇するのでは…という懸念も。
日本でも消費税が導入されたり引き上げられた際に、しれっと物の値段が上がったりしましたよね(消費税と通貨変更はちょっぴり違いますが)
ただ旅行者の皆さんにはとっても嬉しいニュースなのではないでしょうか。クーナはクロアチア内でしか両替できなかったので、旅行の際は不便でしたがユーロ変更となって解消されるのは嬉しいですね。ヨーロッパ周遊時の換金の手間もなくなりますしね!
以前のクロアチア旅行で余っているクーナ、いずれ価値が出てくるかもしれないので両替せずに大切に閉まっておくのも素敵かもしれません。
ユーロ完全移行後のクロアチア旅行の際には、ご注意くださいね。