高い英語力が必要と言われている中東系CAは採用面接時、どれぐらいの英語力が必要なのでしょうか?
今回はエミレーツ航空の客室乗務員に合格した時のTOEICの点数・入社試験での英語面接・入社してから実際のトレーニングで求められた英語力についてお伝えします。
客室乗務員に必要な英語力

私がカタール航空・エミレーツ航空にCV(履歴書)を送った時点のTOEIC点数は860点でした。
CAといっても日系・外資と多くのエアラインがあり、それぞれ必要な英語力は異なります。
各航空会社の求めるTOEICの点数は以下のように記載されているエアラインが多いです。
- 日系:600点以上
- アジア系:500点~650点以上
- ヨーロッパ系:700点以上
- 中東系:英語堪能 との記載
外資系エアラインの試験は、履歴から面接まで全て英語で行われるので必然的に高い英語力が求められます。
中でもヨーロッパ系と中東系はより高いレベルが必要だと言われています。
採用試験
エアラインによって面接回数は変わってきますが、外資系エアラインの場合は1日でインタビューから最終手前の面接まで進み、最終面接のみ後日という会社が多いです。
私が受験したエミレーツ航空・カタール航空は2社とも朝早くからお昼過ぎまでの間に一気に最終手前の3次試験まで進みました。
2社とも毎試験後に合格者のみが会場に残り、段々と人数が少なくなっていくサバイバル形式で行われました。
カタール航空・試験&面接内容
試験内容
筆記試験・アームリーチ・グループディスカッション
最終試験で二対一の個人面接
筆記試験は基本的な英語の試験で、TOEICの500点以上取れる方ならパスできるほどの難易度でした。
グループディスカッションでは私は一言も話しませんでした。
エアライン試験が初めてだった緊張と周りの雰囲気に飲まれてしまい、ひたすら周りの受験生の皆さんの話に笑顔で頷くだけでした。
ああダメだったな…と思っていたので、番号が呼ばれたときは本当に驚きました。
何を重視していたのか分かりませんが、積極的にリーダーシップを発揮していた方は呼ばれていなかったので、その日のリクルーターの方の重視ポイントに私は運よく当てはまったのかもしれません。
最終試験は2名のカタール航空面接官と30分間の面接でした。
CVに書いてある事を詳しく聞かれて、受かった場合どれぐらいでカタールに渡航可能か、両親はカタールに移住することについて何と言ってるのか等を聞かれました。
とても和やかな雰囲気でしたがグループディスカッション時と比べると、英語力をかなり注意して見ていたように感じました。
エミレーツ航空・試験&面接内容
試験内容
アームリーチ・筆記試験・グループワーク・グルーディスカッション
最終試験で一対一の個人面接
最終試験はオーストラリア出身の試験官の方と一対一の1時間の個人面接で、アメリカ&カナダ英語に慣れていた私は全く聞き取れずに“pardon , excuse , would you please say it again ? ”を繰り返しました…。
カタール航空とは違って、サービスに対する考え方や自分の強みや弱み・機内での色々なシチュエーションを提示され私だったらどう行動するか等を聞かれました。
また、ある質問に対しての回答が思い浮かばず “回答が今思いつかないので一旦スキップしていいですか?” と有り得ない事を言ってしまいましたが、面接官の方は “OK!じゃあまた後で聞きますね”とその質問は飛ばしてくださり無事に他の質問の後に回答したりもしました。
面接終了時に“このままじゃ受かってもトレーニングについて行けないと思う。英字新聞やBBCニュース等で沢山勉強して、エアリッジ(エミレーツ航空の日本試験を監督&取りまとめているエアラインスクール)での短期トレーニングを受けたらどうかしら?”と言われ落ちた…と絶望。
ただ自分でもまだまだ英語力が足りないなぁと感じていました。
エミレーツ航空・トレーニング
約2ヶ月のトレーニングはついていくのがやっとでした。
最終面接から約2週間後に、ドバイからのゴールデンコールがありました。
最終インタビューで面接官にアドバイスされたように、ひたすら英語の勉強をしてドバイに渡航しました。
さすが多国籍企業なので、トレーナーはイギリス・インド・レバノン・エジプト、トレーニングを一緒に受けるバッチメイトはイタリア・オランダ・スイス・アメリカ・中国・韓国・セルビア・アイルランド・スペイン・インドネシア・シンガポール・タイとまさに世界中から集まっていました。
もはや英語の発音とは?状態。皆それぞれの国の訛りがあり、かなり聞き取りに苦戦しました。
トレーニング時も、バッチメイトが質問している内容以前に英語が分からない事が何度もあり毎日復習が必須でした。
それに加えてエアライン・メディカル・セーフティ・サービス・セキュリティの専門用語のオンパレード。
トレーニング中の2ヶ月は8時間トレーニング→帰宅後復習→次の日小テストの繰り返しでずっと寝不足でストレスMAXでした。
トレーニング内容は本当に厳しく、毎週受けるテストに2回落ちると強制帰国なので朝から晩まで勉強したのは大学入試ばりに勉強漬けでした…。
ただトレーニング自体は英語力がないとかなりキツイですが、本気でしっかりと勉強すれば落ちません。反対に英語が母国語のイギリスのバッチメイトがトレーニングに落ちてしまっていたので、いかに努力できるかが大事だと思います。
まとめ「客室乗務員になるには」

- 履歴書は基本的にTOEIC関係なく通過する
- TOEIC800点以上あれば英語力の点では試験(グループディスカッションや筆記試験)は難しくはない
- 最終インタビューは1時間の個人面接なので、TOEICの点数では計れない高い実践英語力が必要
- ドバイでのトレーニングはかなりキツイ(英語のみの世界に放り込まれる)
- 渡航後、死ぬ気で勉強すれば飛躍的に英語力は伸びる
エミレーツ航空やカタール航空はTOEICの点数は重要ではなく(履歴書はほぼ全員通過します)、面接時に実際の英語力を測られていると感じました。
またTOEIC860点の私には英語力の時点でかなりキツイトレーニングでした。
英語力が足りずに授業に付いていけずに強制帰国になった合格者もいるので、出来たら900点以上は取れるレベルぐらいの力があれば、それに伴ってトレーニングも受けやすいかと思います。
ただ英語力が受験時点で低く、「私はまだ受験レベルに達していないかも…。もっと勉強してから受けよう」ともし思っている方がいたら、それは間違いです。
そのエアラインに興味があって、募集が出ているのなら自信がないからという理由で受験を先延ばしにしないでください。
受験して初めて気づくことや学ぶことは本当に沢山あります。もし上手くいかなくても、その経験や悔しさから更に努力や対策が出来るんです。
やらない後悔よりやる後悔です!エアライン受験は諦めなければ必ずいつか合格します。
どうか自分自身で空を飛ぶ可能性を潰してしまうことのないよう、どんどん挑戦していってください。